フェルディナント・フォン・シーラッハ 珈琲と煙草

その1杯の珈琲が、その1本の煙草が、彼らを救ったのかもしれない。私も救われたのかもしれない。刑事専門弁護士から作家として活躍する著者のエッセイ。

傑作短編集『犯罪』『罪悪』『刑罰』のベースになったシーラッハのエッセンスで満ちた1冊。観察メモのような内容や法への思考も交えて、断片集とでも呼びたい。しかしながらただただ満たされず、枯渇感が増すばかり。短編集を読ませてくれと言いたくなるだけだった。