冲方丁 オイレンシュピーゲル 3

なければならないはずの”初出動の記憶”がない。国際都市ウィーン・ミリオポリスの警察部隊MPBに所属する機械化された少女たち3人とも、人格改変プログラムによって記憶を消されていた。探す記憶。遠い、初めて人を殺したとき。
前作の長編からスケールダウンし、連作短編形式。といっても、それぞれの恋愛模様を描きながら、物語の真相へと踏み込んでいく。この当たり、両者を絡めつつ大変スリリングな展開に仕上げている。『マルドゥック・スクランブル』になかったものを書き、あったところが達者になった。リメイクした結果、大変よくなった印象でもある。とまあ、スクランブルとベロシティ読んでいるのにシュピーゲル読んでないのはもったいないという話し。