黒木あるじ 黒木魔奇録 魔女島

帰宅したばかりの暗い玄関先で。営業先へ急いで向かったあの道。旅先の電車で拾った落とし物。不意に声をかけられて振りむいた先に。あの時の出来事は、誰かに語れば断ち切れるのか。

解体現場の天井絵に魅了される「天女」、授業で見たモナリザは違ったのではないかと同窓会で話題になる「わたしのモナリザ」の2作が忘れられない。バリで始まった恋愛から恐怖に巻き込まれる表題作「魔女島」がタイトルからは予想できない不気味さで、黒木あるじの腕前が発揮されている。