遅塚忠躬 フランス革命 歴史における劇薬

「自由・平等・友愛」を合言葉に,歴史に大きな転換をもたらしたフランス革命とはなんだったのか。しかしそれは社会構造を変える薬であり、多くの死者を出した劇薬でもあった。当時の資料から人びとの苦悩と、革命そのものの意味を考える。

歴史の出来事には、起こるための理由・原因・流れがある。フランス革命は裕福なブルジョワと、貧しい民衆や農民による衝突であり、右にも左にも大きく振れた。そのエネルギーは、世界への薬にもなり劇薬にもなった。すなわち、社会的デモクラシーの効果と同時に、独裁と恐怖政治の痛みを生んだ。本書は歴史をまとめたものではなく、革命とは何かを解説したと著者は記す。