加藤シゲアキ チュベローズで待ってる AGE22&AGE32

就職活動に挫折していた光太は、歌舞伎町のカリスマホスト・雫にスカウトされる。人気ホストクラブ「チュベローズ」で働き始め、夜の酸いも甘いもを知るが、ゲーム会社に勤める美津子からの指名で一変する。自らの夢を掴むために、彼女を利用しようとするが……。

22歳、ホストクラブでの成長を書く「開幕編」。その10年後、社会経験を積んだ光太が真実に近づいていく「完結編」。ホスト成長譚かと思いきや、後半から全然違う物語に変化して、ミステリーとしての着地点は好みが分かれるところだろう。中盤までのサクセス・サラリーマン小説は、テキストも気持ちよくて一気読み。冴えない学生が歌舞伎町のホストで一目置かれるって、まさに現代転生小説のようだ。この味わいでモリモリ読みたかった。