ヒュー・ロフティング ドリトル先生アフリカゆき

沼のほとりのパドルビーに住む名医ドリトル先生は、オウムのポリネシアから動物語を習い、多くの動物たちと話せるようになりました。先生を頼ってくる世界中の動物たち。ある日、アフリカからやってきたサルが、故郷で疫病が流行っていると言ってきました。先生たちは動物たちを引き連れて冒険に出ます。

子どもと映画を見て原作を読んでみた。改変がうるさい時代に、もしかして「動物と話せる風変わりな医者」しか残されていない? 人種や舞台を越えて、多くの人に愛されてきた理由は、誰もが動物と話せたらという思いだろう。発表から100年が経ち、描写や言葉に差別的なニュアンスを感じつつ、あとがきからそれでも読み継ごうという強い思いを感じた。第2次世界大戦、ベトナム戦争を終えて、なぜ本書を残すのか。歴史を学び、変化に寛容であり、自分の頭で考え、子どもたちと話していきたいと思い、以下の一文を引用したい。

人びとは、世界を、人間を、それ以前とはちがった見方で見始め、考えはじめたということです。