斜線堂有紀 楽園とは探偵の不在なり

2人以上、人を殺した者は天使によって地獄に引き込まれる世界。人々は天国の存在をいまだ信じきれていなかった。大富豪・常木王凱に誘われ、探偵・青岸焦は天使が集まる常世島に上陸する。そこでは起こり得ない連続殺人事件が発生した。地獄に堕ちないために、犯人はどのように殺人を続けているのか。

超能力などを扱った非現実ミステリーが苦手なのに、どうして読んでしまったのか(孤島に建つ館もそうではあるけど)。孤島ミステリーで起こり得る連続殺人事件が“起こせない”。特殊環境下での問いや事件はなるほどと思いながら、解きかたは古典的すぎたのでは? 探偵の過去パートが個性派ぞろいで魅力的。非現実を解くのが目的とはいえ、もっと絡ませてほしかった。