ホリー・ジャクソン 卒業生には向かない真実

2つの事件に直面し大きなトラウマを負った高校生探偵ピップ。大学入学を目前とした彼女に、いくつもの不可解な出来事が起こる。無言電話に匿名のメール。首を切られたハトと、首のない棒人間の落書き。これは6年前に解決した連続殺人事件の模倣なのか? 服役中の犯人は無実を訴えているため、再調査に挑むピップだったが……。

シリーズ通して刺激の強さと過酷さに驚かされてきたが、3作目を集大成として完結。1作目から残されてきた街の影が、ここにきて色濃く浮かび上がる。数々の伏線が見事で、物語を読んでいる楽しさを満喫できた。結末に向けてピップの感情が乱高下するたびに、肺が潰されるような思いだった。場当たり感の強いドライブではあったが、同乗した人でしかわかり合えないスリルがあった。