M・W・クレイヴン グレイラットの殺人

売春宿で殺された男は、サミットで重要人を運ぶヘリのパイロットだった。テロへの警戒を高める政府は、ワシントン・ポーに捜査を依頼する。しかし情報は隠され、ティリーとのコンビを利用する意図が見え隠れし……。

英国中北部を舞台にしたワシントン・ポー・シリーズの4作目。癖のある事件や巨悪との戦いはシリーズ最大のスケールに。今まで以上にフットワーク軽く自由気ままに捜査をして、事件は多面体のサイコロのように表情を変えていく。景観条例を巡るサイドストーリーと合わせて、過去最高のクオリティで満足。毎回トリックに古臭さを感じるのは、日本の先行事例が進みすぎているのかも。