荻原規子 源氏物語 紫の結び 2

明石の君と出会った光源氏が京都にカムバック。政治的な立場も、女性たちとの生活も整いつつあった。が……。1000年前に鏡合わせ構造の物語を書いているから面白い。息子の夕霧がとにかく真面目で、不器用ながら雲居雁へアプローチしていく頑張りが可愛い。娘を軸にした栄華を迎えながら、女三宮によって牙城が崩れていく終盤は読み応えたっぷり。