永積安明 平家物語を読む 古典文学の世界

貴族社会から武家社会へ移った時代。最初の一例ともいえる平家一門の運命を描いた平家物語。清盛を中心とした群像劇より代表的な10人を取り上げ、今でも読み継がれる物語の全体像を伝える。

「鎌倉殿の13人」のためにマンガ日本の歴史を読み、アニメ平家物語を堪能するために全体像を知りたくて本書を読んだ。貿易で得た利益で、煮詰まった政治を変革しようとした平清盛。栄華から滅亡まであっという間のほぼ3代紀。岩波ジュニア新書の中でも増刷を続けるロングセラーで、理解しやすさと誠実な語り口はまさに名著。<<古典文学の世界>>シリーズを展開してほしい。岩波書店編集部編「日本古典のすすめ」と、林望恋の歌、恋の物語」も副読本としておすすめしたい。