陳建一 父の仕事を継ぐ 自分の味をつくる

放浪の果て日本で四川料理を広め「中華の神様」と呼ばれた男、陳建民。その息子、建一はゴルフを楽しみ、持ち前の明るさと前向きな性格で頑張ってきた。しかし偉大な父に近づくほど、その壁の大きさに気づくのであった。中華の鉄人が語る「生きる幸せ」とは。

料理の鉄人やコマーシャルでの印象が強く残る陳建一。放浪癖の末、日本で華開いた天才肌の父にプレッシャーを感じながら、周囲の人々が支えてくれたのは、陳建一から溢れだす魅力があったからなのだろう。岩波ジュニア新書では珍しい語り口調の自録だけど、本人のご機嫌な性格が伝わってくる。巻末には麻婆豆腐などレシピがついていて微笑ましい。陳建一の名を聞けば、笑顔で鍋を振る姿が目に浮かぶ。