古橋秀之 ソリッドファイター 完全版

俺、増田研二。略してスダケン。高校2年。『アルティメイトソリッド』を開発したSEPCOMでバクチェッカーをしている。格闘ゲームで出会った仲間やライバルによって暴かれる、開発者に隠されたストーリーとは。

古橋秀之ブラックロッド」復刊に登録して、そういえば積んでいたなと思い出した。全3巻予定がプロローグの1巻だけで終わってしまい、それから10年後の2008年、500ページを加えた完全版として登場。当時はまだ十分に発達していたなかった3D格闘ゲームの通信対戦を導入し、鉄拳やヴァーチャファイターが登場したころの熱き“今”を書く。川上稔がリアルなゲーセンの閉塞感を小説に閉じ込めた「連射王」、格闘技のスピード感を文体にした「奏(騒)楽都市OSAKA」が面白かったな……。過去讃美ではなく、皮肉屋で斜に構えた主人公はもう読めない……。