早乙女勝元 東京が燃えた日 戦争と中学生

1945年3月10日に始まった大空襲。アメリカ軍による大規模な爆撃は、今までの空襲とは比較できないほどだった。全市街地の半分以上が焼け、10数万人もの命が奪われた。当時,中学生で生き延びた早乙女勝元は、被害者の声を集めて後世に伝えるプロジェクトを進める。

まさに今、ウクライナへの軍事侵攻で起こっている悲鳴がここに記されている。本書を読んで、それでも軍事侵攻をよしとする人がいるのだろうか。言いにくいことだけど、何度も語り次いだためにリアルになりすぎてはいないか? と感じる部分は正直ある。しかしながら大空襲が人々の人生を狂わせたのは間違いない。最初期の岩波ジュニア新書から強烈な印象を残す1冊。同じ苦しみを生みたいとは思えない。