鈴木棒 実話怪談 蜃気楼

山の怪談を得意とする著者による、実力が発揮される「鹿の葬式」「夢ヶ岳」などを収録。同時に、記憶に残す力は現代都市怪談でも十分。修学旅行の京都で飛び降り自殺を見てしまう「ある夜のこと」がしっとり怖い。北関東の山道で見かけた「奥の院」は、拭えない好奇心と奇妙な場によって、山の恐ろしさ以上のものを書く。