芦沢央 神の悪手

今、実力を発揮している現代短編ミステリーの書き手・芦沢央×将棋。自分だけの力で勝たなければならないプレッシャーと、勝利だけから得られる恍惚。被災地へのボランティアで、力量ありそうな少女が奇妙な手を指す「弱い者」がベスト。震災だからこその驚きがある。奨励会に満ちる吐くような緊張感と殺人を合わせた表題作も忘れがたい。