伊坂幸太郎 ゴールデンスランバー

首相パレードで突然の爆破事件。暗殺。その直前、旧友から不自然な言葉をかけられた元宅配ドライバー青柳雅春は、犯人に仕立て上げられる。まさかの逃走劇。かつての知人たちを尋ねるも、彼らにはすでに警察の息が・・・・・・。
主人公・青柳雅春が誰も信じられなくなりつつも、誰かを信じようとする姿が、物語の謎を探ろうとする読者に上手いこと重なってくる。このための伏線か! ここで登場するのか! とスリリングな中に感動を生ませ、常にアッパーな物語に仕上げている。感情移入させるやる! と少年漫画ばりの攻め方は見事としかいいようがない。大傑作だと酔いつつ、ラストへと流れ込んでいく伊坂らしい感触に、全身を委ねることがここまで気持ちいいとは。
かつて母の日へのプレゼントとして、海堂尊チーム・バチスタの栄光』、桜庭一樹赤朽葉家の伝説』、有川浩図書館戦争』を渡したものの、よくわからん・たるい・SFじゃねえかの三拍子で大敗。されど今年はこれでリベンジだ! と読み終わったものの、母親の趣味じゃないなあとすげー困った。

ゴールデンスランバー

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