2008-01-01から1年間の記事一覧

ジェフリー・ディーヴァー 石の猿

リンカーン・ライム・シリーズ第4弾。密入国者の仲介役、中国系の殺し屋”ゴースト”を追い込むことに成功するも、逮捕直前で船を爆破し逃走。乗り込んでいた密入国者たちの一部は辛うじて生き残ったが、顔を知っているがために”ゴースト”の手が迫っていた……。…

『フルメタル・パニック!』より、『終わるデイ・バイ・デイ〈下〉』からシリーズ最新刊『せまるニック・オブ・タイム』までを読了。80年代ロボット・アニメを見返しているような懐かしさでもあり、最新の大ネタを振りまわす面白さ。 ここ連日フルメタを読み…

賀東招二 同情できない四面楚歌? ― フルメタル・パニック!

戦場からの転校生・相良宗介と、そんな彼を見守ることになる同級生・千鳥かなめとのラブコメ学園短編集4巻。いつも通りのドタバタものに、宗介・クルツ・マオの出会いからウルズ・チーム結成まで「エンゲージ、シックス、セブン」も収録。これから盛り上がる…

賀東招二 揺れるイントゥ・ザ・ブルー ― フルメタル・パニック!

戦場からの転校生・相良宗介と、そんな彼を見守ることになる同級生・千鳥かなめとのラブコメ学園戦場物語シリーズ本編3巻。宗介の誘いから2人きりの夏休みかと思いきや、強襲揚陸潜水艦トゥアハー・デ・ダナンへ。怒る千鳥や困惑する宗介、喜ぶテッサたちの…

賀東招二 自慢にならない三冠王? ― フルメタル・パニック!

戦場からの転校生・相良宗介と、そんな彼を見守ることになる同級生・千鳥かなめとのラブコメ学園短編集3巻。またもドタバタしつつ、学園行事や日常事と戦場のギャップを上手く書いているので、飽きないなあ。怪談で怖さを感じない宗介を、肝試しに病院へ連れ…

賀東招二 本気になれない二死満塁? ― フルメタル・パニック!

戦場からの転校生・相良宗介と、そんな彼を見守ることになる同級生・千鳥かなめとのラブコメ学園短編集2巻。ボケとツッコミで日常が大騒ぎしつつ進んでいくさまは、高橋留美子を思い出す(苦手だったんだけどなあ)。古典の課題を提出するために、超人的肉体…

『フルメタル・パニック!』から『自慢にならない三冠王?』『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』『同情できない四面楚歌?』『終わるデイ・バイ・デイ〈上〉』を読了。短編も楽しいけど、長編がどんどん面白くなるなあ。 ジェフリー・ディーバーは結局『石の猿』を…

賀東招二 疾るワン・ナイト・スタンド ― フルメタル・パニック!

戦場からの転校生・相良宗介と、そんな彼を見守ることになる同級生・千鳥かなめとのラブコメ学園戦場物語シリーズ本編2巻。超戦時技術を駆使した対テロ組織ミスリルの少女艦長テッサ、彼女を追うテロ組織が東京で企むこととは? そして謎の少年が組織から必…

賀東招二 放っておけない一匹狼(ローン・ウルフ)? ― フルメタル・パニック!

戦場からの転校生・相良宗介と、そんな彼を見守ることになる同級生・千鳥かなめとのラブコメ学園戦場短編集1巻。長編はバカな学園ものと軍ものの良さがグッと詰まっているが、こちらは学園をネタに遊び尽くしたような作品たち。本編からのスピンオフ的な気楽…

賀東招二 戦うボーイ・ミーツ・ガール ― フルメタル・パニック!

シリーズ1巻を再読。戦場からの転校生・相良宗介と、そんな彼を見守ることになる同級生・千鳥かなめとのラブラブコメコメ学園戦場物語。超戦時技術を駆使した対テロ組織ミスリルの活躍が面白さだが、彼らの存在を、自身から疑っていくラストが面白い。意外な…

トム・ロブ・スミス チャイルド44

国家保安省の捜査官レオは、少年が残虐な姿で殺されたことから調査を進めようとするが、国家は事故として処理して……。”共産国に犯罪者はいない”スターリン体制化のソ連を舞台にした、08年度CWA賞最優秀スパイ・冒険・スリラー賞受賞の異色サスペンス。 スパ…

『フルメタル・パニック!』から『戦うボーイ・ミーツ・ガール』『疾るワン・ナイト・スタンド』『放っておけない一匹狼(ローン・ウルフ)?』『本気になれない二死満塁?』を読了。 長編より短編のほうが好きかな。 また明日以降、ちゃんと書く。 ジェフリー…

ジェフリー・ディーバー エンプティー・チェア

凶悪犯を追ってきた四肢麻痺の犯罪学者リンカーン・ライムは、脊髄手術のためにやってきた小さな田舎町で誘拐事件に遭遇する。追うべき容疑者は昆虫オタクの少年なのか、それとも真犯人は別にいるのか。分析装置が整わない町を舞台に、二転三転、それ以上に…

マイクル・コーニイ ハローサマー、グッドバイ

読み始めから、青少年の若々しさが伝わってくる訳文がたまんない。かつて避暑地で会った少女ブラウンアイズとの再開。子どもから大人へと背伸びをしたつもりでの冒険。そして世界の真実へ迫っていくぼく。途中何度も前書き「作者より」の一節を読み返すこと…

須賀しのぶ アンゲルゼ ― ひびわれた世界と少年の恋

今年から刊行された須賀しのぶの新シリーズ『アンゲルゼ』を3巻まで一気読み。素晴らしいですよ!ヒロイン陽菜の性格は、『流血女神伝』シリーズのカリエとは正反対で、朱に染まればなんとやら。それなのに『キル・ゾーン』のような世界に生まれて、近代伝奇…

フルメタル・パニック! 既刊タイトル順

戦うボーイ・ミーツ・ガール(1998年9月) 放っておけない一匹狼?(1998年12月) 疾るワン・ナイト・スタンド(1999年3月) 本気になれない二死満塁?(1999年5月) 自慢にならない三冠王?(1999年10月) 揺れるイントゥ・ザ・ブルー(2000年2月) 同情できな…

須賀しのぶ アンゲルゼ ― 孵らぬ者たちの箱庭

盛り上がって参りました! を、時間をおいて下げて、もう一度盛り上げることが難しいんです。というわけで、今年3月に出た作品でさえ再読(正直に書けば、伏線ほとんど忘れていた)。以前の感想id:h-moto:20080314:1205504217から変わることなく、中学生たち…

森博嗣 目薬αで殺菌します

この人との関係もこれで最後にしなきゃ……(抱かれて)やっぱり好き! みたいな、あーくそ。ここぞとばかりに、どんな大風呂敷を広げられたのか見えてくる。森博嗣のサドっぷりと、読者のマゾっぷりが噛み合うGシリーズ第7弾。毒入り目薬事件なんて関係ねえ。…

研修旅行にて、伊勢より。 そして統計を勉強するはめに。 『魔界戦記ディスガイア 魔界の王子と赤い月』(asin:B0016OM6GU)はLv100手前。だらだら。 J・ディーヴァー『エンプティー・チェア』は、確実に眠れなくなる面白さ。そこまで追い詰めるか!? な展…

中田永一 百瀬、こっちを向いて。

女子高生たちがあーでもない、こーでもない、と恋に悩む様子に俺デレデレ。百瀬のハルヒっぷり全開な可愛さは異常。とまあ、高校生たちの痛々しくも静かな恋を描いた、書き下ろし一編を加えた名作短編集。表題作と「なみうちぎわ」は日常ミステリの要素と合…

マイナス・ゼロ 改訂新版 広瀬正・小説全集 1

時間SFはどうしてか苦手なんだけど、名作と多々聞かされていた『マイナス・ゼロ』が復刊していたので読む。なんとも飄々としたとでもいうべきか、不思議な作品だった。戦後から戦前へ、タイムマシンで移動してしまったサラリーマンが主人公。なんとか元の時…

宮部みゆき 今夜は眠れない

手軽に宮部みゆきが読みたくなったので、未読だった薄い作品を。 母さんが、かつて”放浪の相場師”から5億円の遺産を受け取ることになったため、僕の落ち着いた生活は混乱してしまう。友人、親戚、マスコミ……。そして父さんの浮気による家出。どうして相場師…

ドン・ウィンズロウ 砂漠で溺れるわけにはいかない

素人探偵ニール・ケアリーのシリーズ最終5作目。急に子どもを欲するカレンを置いて、ニールは最後の仕事へとラスベガスへ。かつての有名コメディアンを家に帰すだけの簡単な事件に思われたが……。 事件の中心が水面下で動くようになったので、前半3作目『高く…

ドン・ウィンズロウ ウォータースライドをのぼれ

素人探偵ニール・ケアリーのシリーズ4作目。今までにあった繊細さは消えて、ドタバタとした笑いが絶えない1作。ここにシリーズの幕が閉じられていく悲しみのようなものを、読み込んでしまう。今までの大きな事件で得てきた成長ぶり、素晴らしい恋愛模様を見…

ドン・ウィンズロウ 高く孤独な道を行け

シリーズ再読。ロサンゼルス、ハリウッドから始まった、離婚が絡んだ子探しは簡単に終わると思えたが、話しはネヴァダで白人至上主義を掲げるカルト宗教を監視することに……。シリーズで主人公探偵ニール・ケアリーが最も精神的な高みにたどり着く本書は、代…

9月から配属が変わるので化学教科を勉強中。高校時代の教科書、大学時代の有機・熱力をもう一度引き出すことになるとは。 先日亡くなった祖父が実験系ではなく、理論系だったことを初めて知る。俺が熱力好きで、最終的にそっちへ流れたのも遺伝なのかなあと…

ドン・ウィンズロウ 仏陀の鏡への道

シリーズ再読。'77年のサンフランシスコ、返還前の香港、そして中国を舞台に、青年探偵ニール・ケアリーが放り込まれるシリーズ2作目。裏テーマでもある”成し得なかった歴史”が前作より格段にアップ(副大統領選へ出馬する議員の娘探し)。毛沢東の意思を継…

ドン・ウィンズロウ ストリート・キッズ

完結した5作目まで読めていないことを思い出し、せっかくなのでシリーズを再読。青春の煌めきと、ニューヨークの騒音を、これだ、これだと確かめつつ。と思ったら、こんなにも偶然性に頼った展開だったのか。だけど、そこを盛り上げていく青年探偵の主人公ニ…

安楽椅子犯人 - 湖岸の盲点 - 解答編

以前に書いた(id:h-moto:20080727:1217091646)、フリー・ゲーム、サウンドノベル『安楽椅子犯人 - 湖岸の盲点 - 小此木鶯太郎の事件簿 解答編』が公開されたので、さっそくプレイ。まさに”湖岸の盲点”とも呼べる点をついてきたミスに大満足。小説媒体のミ…

加地尚武 福音の少年 闇と光を統べるもの ― Good News Boy

全7巻にしてシリーズも終わり。パチパチパチ。完結するライトノベルは、いいライトノベルだ。エヴァンゲリオンの二次創作に始まり、主人公(シンジ君)は世界の選択を迫られるが……。とりあえず敵と戦っていればストーリが進んでいたような、キャラの個性が没…