諸富徹 税という社会の仕組み

給与明細の納税額を見ていると、国が上で私たちが下で、収めているものだと思い込んでいた。しかし本書では、納税は「義務」ではなく「権利」だと教えてくれる。ヨーロッパ、とくにフランスの民主化から始まった税制と、日本の近代化によって進められた税制はまったく違うベクトルで今に至る。国と私たちの意識が変わらない限り、納税との関係は変わらない。納税とは、子どもにお小遣いを渡すのと一緒なのかもしれない。自分のために大切に使ってほしい。そのお金で成長し、交友を広げればいい。そうなるために少しでも多くの人に読んでほしい。