辻内鏡人 中條献 キング牧師 人種の平等と人間愛を求めて

アメリカ公民権運動の指導者として先頭を歩み、39歳にして銃弾に倒れたキング牧師。当時の人種差別を振り返りながら、アメリカ近代史を解説する。

銃乱射事件でキング牧師の孫が登場したが、彼のことを何も知らなかったので読んでみた。たった50年ほど前はアメリカであっても(だったからとでもいうべきか)、人種が分かれていたことに驚かされる。それを当たり前とせず、運動にくり出したキング牧師の足跡を追う。公民権運動の浮き沈みから、今のアメリカの背景がよくわかるのでお薦めしたい。師をけっして美化せず、失敗もスキャンダルも苦悩も、キング牧師のありのままの姿を書いている。岩波ジュニア新書を代表する名著だろう。

キング牧師―人種の平等と人間愛を求めて (岩波ジュニア新書)

キング牧師―人種の平等と人間愛を求めて (岩波ジュニア新書)