小川一水 天冥の標5 羊と猿と百掬の銀河

西暦2349年、小惑星パラスにて野菜農場を経営するタックは、一人娘のザリーカとなんとか生活をしていた。しかし老朽化する装置、大手ロボット会社の進出、娘の反抗期に悩む中、地球の学者アニーの世話も負うことになり、生活が変化していくのだが……。その6000万年前、ある惑星の海底に1つの自我が目覚めた……。

ボリュームとしては折り返してないだと……? と感じたシリーズ5巻目。厳しい環境下での農業シム小説は地味ながら面白く、小川一水の書く、人が広げていく物語はやっぱり面白い。断章である6000万年前に目覚めた意識については、少しずつ置いてけぼりになってしまい、終盤になるほど苦労してしまった。しかしエピローグの驚きは、今まで何を読んでいたのか、自分で疑うほど。